展覧会東京・六本木
EXHIBITION
開催中

企画展 ライトアップ木島櫻谷
― 四季連作大屏風と沁みる「生写し」

2024.03.162024.05.12

大正中期に大阪天王寺の茶臼山に建築された住友家本邸を飾るために描かれた木島櫻谷の「四季連作屏風」を全点公開します。 大正期の櫻谷は、独特な色感の絵具を用い、顔料を厚く盛り上げ、筆跡を立体的に残し油彩画のような筆触に挑戦しています。そのために櫻谷は、「技巧派」などと称されましたが、櫻谷の真骨頂は、それに収まらない極めて近代的なものでした。リアルな人間的な感情を溶かし込んだ動物たちは絵の中で生き生きと輝きはじめ、とりわけ動物が折節にみせる豊かな表情は、観る者の心に沁みます。 江戸時代中期(18世紀)京都で生まれた円山四条派の代表的な画家たちによる花鳥画表現を併せて紹介することで、櫻谷の「生写し」表現の特質をライトアップします。

詳しく見る
開催予定

企画展 歌と物語の絵 ― 雅やかなやまと絵の世界

2024.06.012024.07.21

古来、語り読み継がれてきた物語は、古くから絵巻物など絵画と深い関係にありました。和歌もまた、三十一文字の世界が絵画化されたり、絵に接した感興から歌が詠まれたりと、絵画との相互の刺激から表現が高められてきました。 物語絵や歌絵の特徴のひとつは、精細な描写と典雅な色彩。宮廷や社寺の一級の絵師が貴人の美意識に寄り添い追求した「やまと絵」の様式を継承することでしょう。そして、ストーリーに流れる時間を表すかのような巻物、特別な場面を抽出してドラマティックに描き出す屏風など、長大な画面にさまざまな表現が生まれました。古典文学は、後世の人々が自分自身に引き寄せて味わうことで、読み継がれ輝き続けてきました。それに基づく絵画もまた同様です。 本展では、近世の人々の気分を映し出す物語絵と歌絵を、館蔵の住友コレクションから選りすぐってご紹介します。雅やかで華麗、時にちょっとユーモラスな世界をお楽しみください。

詳しく見る
開催予定

特別展 昭和モダーン、モザイクのいろどり
板谷梅樹の世界

2024.08.312024.09.29

「昭和」モダンのアートシーンを飾ったモザイク作家・板谷梅樹(いたやうめき、1907-1963)。かつての日劇のモザイク壁画、瀟洒な飾箱や飾皿、帯留やペンダントヘッドなど、絵画や模様を表出した独特のエキゾチックなモザイク作品は、どれも清新な色彩と可憐な意匠にあふれています。 近代陶芸の巨匠・板谷波山(いたやはざん、1872-1963)の息子であった梅樹は、父が砕いた陶片の美しさに魅了され、20代半ばから陶片を活用したモザイク画の制作を志します。その代表作は旧日本劇場一階玄関ホールの巨大なモザイク壁画(1933年作、原画:川島理一郎)でした(現存せず)。戦後復興の中で残された梅樹の作品は決して多くはありませんが、近年その再評価の機運が高まっています。 本展は、梅樹作品を一堂に集めた初の展覧会となります。昭和29(1954)年に制作された現存する最大の壁画《三井用水取入所風景》は、本展の見どころのひとつといえるでしょう。住友コレクションの板谷波山作品と共に、カラリストと称された波山と梅樹の美の競演をお楽しみください。併せて、住友コレクションの茶道具をご紹介いたします。(出品予定点数:約100点) *展示替えはありません *ご来館予約は不要です (オンラインチケットも日時指定券ではありません)  なお、混雑時には入場制限を行なう場合もございます。

詳しく見る
開催予定

特別展 オタケ・インパクト
越堂・竹坡・国観、尾竹三兄弟の日本画アナキズム

2024.10.192024.12.15

かつて、官展や巽画会等を舞台に輝かしい活躍を見せた三兄弟の画家がいました。新潟県に生まれた尾竹越堂(おたけ・えつどう1868~1931)、竹坡(ちくは1878~1936)、国観(こっかん1880~1945)の三兄弟は、文部省美術展覧会をはじめ、明治から昭和にかけて様々な展覧会で成功を収め、まさに「展覧会の申し子」として近代日本画史にその名を残しました。しかしながら、時に実験的ともいえるラディカルな制作を試み、また破天荒な生き方を貫いた尾竹三兄弟は毀誉褒貶にさらされ、これまでの美術史の語りからは見過ごされてきました。 本展は、東京で尾竹三兄弟を紹介する初めての展覧会です。彼らの重要作をはじめ、多数の新出作品や未公開資料から、知られざる尾竹三兄弟の人と作品を紹介します。また尾竹三兄弟は、住友家第15代当主・住友吉左衞門友純(号:春翠)と親交を結んだことから、その交流についても紹介します。そして展覧会制度のなかで躍動した三兄弟の作品を一堂に会すことで、日本画の豊かな展開と展覧会芸術の到達点をご覧いただきます。

詳しく見る