住友コレクション 泉屋博古館

住友コレクションと泉屋博古館の沿革


- 「泉屋博古」額 -
西園寺公望
(春翠の実兄)揮毫

泉屋博古館は住友家が蒐集した美術品を保存、展示する美術館です。
住友家の美術品で最も有名なものは、第15代当主住友春翠が明治中頃から大正期にかけて蒐集した中国古銅器と鏡鑑です。これは中国以外では質量ともに最も充実したコレクションとして世界的にも高く評価されていますが、当館はこの貴重な青銅器と鏡鑑500点余りを保存公開するための財団法人として昭和35年に発足し、昭和45年には京都鹿ヶ谷の地に4室からなる青銅器と鏡鑑の展示室が完成しました。ちなみに、泉屋博古館の名称は、江戸時代の住友の屋号「泉屋」と九〇〇年前に中国で皇帝の命によって編纂された青銅器図録『博古図録』からとっています。

その後も当館は、住友家から数々の美術品の寄贈を受け、現在収蔵品は3000点以上を数えます。また、収蔵品の増加に伴い、昭和61年に青銅器展示館の傍らに新展示室を増築し、さらに平成14年には東京六本木に分館を開設いたしました。


泉屋博古館の収蔵品


- 住友 春翠 -
(1864~1926)

泉屋博古館が所蔵する美術品は、先に述べた中国青銅器・鏡鑑の他に中国・日本の書画、洋画、近代陶磁器、茶道具、文房具、能面・能装束などがあり極めて多様です。そしてこれら収蔵品の多くも、住友家第15代当主春翠が蒐集しています。春翠は青銅器コレクターとして有名ですが、しかし、彼の美術品に対する関心は青銅器に留まらず、大変広い範囲に及ぶものでした。春翠は、茶の湯や能楽といった日本の古典芸能を嗜み、日本家屋で日本画を鑑賞するといった伝統的な数寄者の生活を楽しみましたが、その一方で当時としては先進的な西洋風の生活も楽しみ、洋画をはじめとする近代美術にも深い理解を見せています。さらに中国文人の生活にも憧れ、青銅器や文房具に囲まれた書斎で篆刻を嗜むといった文人的生活も楽しんでいます。このように様々な文化に興味をもった春翠は、美術品も自らの美意識にかなったものを洋の東西、新旧を問わずに蒐集しており、これが今日の泉屋博古館収蔵品の母胎となっています。

春翠以外の収集品では、春翠の長男である寛一の中国明清代の絵画を中心とするコレクションや16代当主友成が蒐集した作品、また春翠以前から住友家に伝来したものも若干あり、コレクションに一層の彩りを添えています。


泉屋博古館ご案内

現在、泉屋博古館では、京都と東京分館の二カ所で収蔵品やそれに関連する作品の展覧会を開催し、住友コレクションの魅力をより多くの方々に知って頂くべく、活動を行っています。京都の泉屋博古館は春翠が別荘として求めた鹿ヶ谷の地にあり、東山の穏やかな山容を望む風光明媚な環境の中にあります。また分館は交通至便な六本木の地にありながらも、緑が多く静寂な環境の中にあります。両館ともに美術鑑賞には絶好の場所ですので、皆様のご来観を心よりお待ち申し上げております。