[春季] ブロンズギャラリー 中国青銅器の時代
無限に繰り返される螺旋の先に、古代中国人は何を見出したか。高度な鋳造技術で生み出された殷周時代の青銅器は、奇想天外な造形と、複雑怪奇な文様によって特徴づけられています。トラやミミズクなどの実在の動物から、龍や鳳凰、饕餮といった空想上の獣まで、さまざまなモチーフが登場し、そうした文様・モチーフの内外を埋め尽くすような螺旋状の地文が、神秘的な印象をより一層高めています。古今東西、呪術的な意味合いを強くもってあらわされてきた螺旋。繰り返されるそのリズムから、変幻自在の文様デザインが生み出され、横溢するエネルギーを発散するかのような視覚効果は、ほかでは味わえないものとなっています。泉屋博古館ブロンズギャラリーでは、世界最高峰とも称される住友コレクションの逸品を一堂に会し、古代中国の魅惑的なデザイン感覚を余すことなくご紹介いたします。青銅器のみを展示するために設計された特別な空間で、東洋美術最後の秘境ともいうべき古代中国の至宝をお楽しみください。
[秋季] ブロンズギャラリー 中国青銅器の時代
ギャラリー3特集展示「金文の世界」
複雑繊細な造形が特徴の殷周青銅器には、当時の人々の使用していた文字が銘文として鋳込まれていることがあります。この中国古代の文字─金文─は、現在のわたしたちが使用している漢字の古い字形であり、当時の社会や文化のあり方を考えるうえで貴重な手がかりとなっています。書かれた内容を丹念に読み込むと、中国古代の人々の息遣いが聞こえてきそうなリアリティを味わうことができます。また文字としての美しさもきわだっており、歴代の書家たちを魅了し、影響を与えてきました。今秋のブロンズギャラリーではこの金文をテー マとし、住友コレクションとともに、その豊かな世界をさぐる特集展示を開催します。青銅器や中国古代に興味がある方はもちろん、書や古代文字に興味がある方にも必見の内容です。
寛永行幸四百年記念 特別展
寛永行幸と花の都の文化びと
江戸時代初期にあたる寛永3年(1626)9月、大御所徳川秀忠・将軍徳川家光の招きにより後水尾天皇が京都・二条城に行幸されました。初日の9月5日には、天皇一家と公家、将軍と全国の大名がそろう天下の大行列に、京の街は空前の活況を呈します。寛永行幸は泰平の世の到来を告げ、新たな文化の胎動をうながしたともいえるのです。 本展では行幸行列を活写する泉屋博古館所蔵 《二条城行幸図屏風》 (京都市指定文化財) を中心にこの歴史的盛事を振り返ります。そしてその前後から17世紀後半にわたり展開した寛永文化について東福門院 (徳川和子) という一人の女性を起点に見つめていきます。将軍の娘にして天皇の后となった彼女の周辺では、後水尾天皇、千宗旦、松花堂昭乗、小堀遠州、野々村仁清など、きら星の如き文化人たちが身分を越えた交流を通じ、それぞれの美の形を結びました。会場では公・武・民の架け橋となった東福門院ゆかりの品々をまじえ、その美と交流の足跡をたどります。 当館の近隣には東福門院菩提寺の光雲寺をはじめ、江戸初期復興のゆかりの社寺が点在しています。往時の雅人の息づかいを今に伝えるこの地で寛永文化に思いを馳せる一時をお過ごし下さい。
特別展 没後100年記念 住友春翠
-仕合わせの住友近代美術コレクション
泉屋博古館のコレクションの礎を築いた住友家第15代当主・住友吉左衞門友純(号:春翠、1864–1926)の没後100年を記念し、ゆかりの作品を紹介します。収蔵する日本画・洋画・工芸から、彼と同時代を生きた作家との交流をたどります。また春翠が関心を寄せた作品を通じてその審美眼を見つめ直し、さらに収集の背景や時代性といったコレクション形成史を再検討する機会とします。
